2021年09月29日
提案資料やセミナー、プレゼンなどの資料では、書籍やWEBサイトのデータを参考文献とし引用することがよくあるかと思いますが、その引用元はきちんと明記していますか? 引用元をきちんと明記することは、著作物を引用する上でのルールとして定められているので、うっかり忘れてしまうとトラブルに巻き込まれてしまう可能性も… 今回は、参考文献を引用した時に必須の出典の記載方法についてご紹介します。
参考文献を載せるメリット、出典を明記する理由
- 参考文献を載せるメリット
自分で考えた意見や数値だけをまとめた資料では、客観性や根拠に乏しく説得力に欠けます。そこで、参考文献(書籍やWEBサイトなどの外部のデータ)を引用することで資料に客観性が加わり、資料自体の信頼度を上げることができるのです。
【参考文献を掲載しない場合】
【参考文献を掲載する場合】
例えば、上記のように参考文献を掲載しない場合とする場合では、スライドを見た時の印象や信頼度は大分変わりませんか?
- 出典を明記する理由
参考文献を掲載する時に大切なことが、出典(参考文献などの引用データの出所)の明記です。
出典を明記することで、資料の中の「自分の考え」と「他者の考え」を区別することができます。
「他者の考え」をあたかも「自分の考え」として(もしくは「自分の考え」であるかのような誤解を招く形で)発表してしまうと、それが意図的であろうとなかろうと、「盗用(とうよう)」や「剽窃(ひょうせつ)」と捉えられてトラブルを引き起こすことにもなりかねません。
「他者の考え」であることを明確にするためにも、出典は必ず明記するようにしましょう。
出典の書き方
一般的な例をご紹介します。
■Webサイトを引用・参照する場合
①Webサイト名
②「該当ページのタイトル」
③入手先URL
④入手日付
例
パワーポイントラボ.「参考文献の記載について」. https://ppt-lab.presentationdesign.jp/〇〇〇,(参照2021-09-15)
※①~③の項目の間は「.」で区切り、③と④の項目の間は「,」で区切ります。
■書籍を引用・参照する場合
①著者名
②『署名』
③出版社
④出版年
⑤総ページ数
例
佐藤研.『パワーポイントラボ』.パワポ出版.2021年,180p
※①~④の項目の間は「.」で区切り、④と⑤の項目の間は「,」で区切ります。
■雑誌論文を引用・参照する場合
①著者名
②「論文のタイトル」
③『雑誌名』
④出版年
⑤巻号
⑥ページの範囲
例
佐藤研.「パワーポイントのメカニズム」.『PowerPointのすべて』.2019,vol.3,P40-45
※①~④の項目の間は「.」で区切り、④~⑥の項目の間は「,」で区切ります。
出典の記載場所/方法
- 記載場所
出典の記載場所については、主に下記の2つのパターンがあるので、用途に応じて使い分けるようにしましょう。
・各スライドに注釈をつけて記載する場合
参考文献を引用している箇所が少ない場合は、該当のスライド内に出典を記載することをおすすめします。
・最後のスライドにまとめて記載する場合
たくさんの参考文献を引用している場合は、最後のスライドにまとめて出典を記載することをおすすめします。
出典の情報が大量にスライド内に記載されると、肝心の資料を掲載するスペースが狭くなってしまいますし、スライド内が情報過多になり本当に伝えたい情報が分かりにくくなるためです。
- 記載方法
記載方法は、テキストボックスを使います。
ツールバーの「挿入」タブ→「テキスト」メニュー内の「テキストボックス」を選択します。
カーソルが十字に変化するので、挿入したい場所でクリックまたはドラッグしてテキストボックスを作成します。作成されたテキストボックス内に出典を記載してください。
出典を記載しても、一体どの部分を参考にしたのか該当箇所がわからなければ意味がありません。出典によって記載した箇所に記号や番号を振ってわかりやすくするようにしましょう。(「※1、※2・・」や「注1、注2・・」など)
ここで気をつけたいのが、該当箇所に振った記号(番号)の設定です。
このままでは、本文と文字サイズが変わらないために同列のものと誤認してしまう可能性があります。 よりスマートな資料に仕上げるために、次の設定を施してみましょう。
- 「上付き文字」の設定
該当の記号(上付き文字にしたい部分)を選択した状態で、「ホーム」タブから「フォント」を選択します。
「フォント」ダイアログボックスが表示されるので、「フォント」タブの「上付き」にチェックを入れます。その右側にある「相対位置」で位置の調整を行い、最後に「OK」ボタンを押してください。
※フォントサイズも適宜調整することをおすすめします。
参考文献を引用することは、資料の信頼度を上げることにつながるので是非おすすめしますが、その出典の記載を忘れてはいけません。引用したデータや書籍ごとの適切なルールを守りながらスマートに掲載することで、資料のデザイン性は損なわずに完成度の高い資料に仕上げることができるはずです。