錯視って何?
資料作りでも気をつけたい5つのコト

錯視って何?<br>資料作りでも気をつけたい5つのコト

自分で作った資料を客観的に見た時に、違和感を覚えることはありませんか?
それは「錯視」が原因かもしれません。錯視は、自分が意図していなくても発生してしまう場合があります。
今回は、資料作成する際によく起こる錯視の事例と、簡単にできる対処法を図解で紹介します。

錯視とは?

錯視とは、目で見た情報が実際とは異なったものとして知覚される、いわゆる脳の錯覚のことです。

例えば上図。線Aと線B、どちらの線が横に長いでしょうか?
実はどちらとも同じ長さです。これはミュラー・リヤー錯覚と呼ばれています。

他にも様々な錯視がありますが、次の項目から、資料を作る際に起こりがちな
5つの錯覚と、その対処法について解説していきます。

よく見られる錯視 と 解消するための調整例

  • よく起こる錯視①上方距離過大

上方距離過大とは、 上下の余白を同じだけ設定したはずなのに、見比べた時に下よりも上の余白の方が大きく見えてしまう現象のことです。
上に掲載した画像では、上の余白の方が大きく見えませんか?

<解消方法>
パワーポイントにある機能を使い、上下の間隔が均等に見えるように調節を行いました。
右の図形の間隔は均等に見えますね。
これは難しい設定ではなく、1分程度で簡単に調整が可能です。

①調整したい図形を選択した状態で右クリックをして「図形の書式設定」を開く
②「文字のオプション」の中から、テキストボックスのアイコンを選択
③下余白にほんの少しの余白を設定する

※フォントによっては真逆の現象が発生することもあります。

メイリオや游ゴシックなどのフォントでは、下の余白の方が大きく見えます。これは錯視が原因ではなく、メイリオなどのフォントは英文を読みやすくするために、和文の余白が下に多めに取られるように設定されているからです。この場合の対処法は、下ではなく上に余白を設定しましょう。

  • よく起こる錯視②三角形分割錯視

三角形分割錯視とは、三角形の中心位置がズレているように感じる錯視のことです。

<解消方法>
上図で示したように三角形の【数学的な中心】ではなく【重心】を踏まえて配置しましょう。

「その都度配置を調整するのは大変」という方は、矢印を用いるのもいいかと思います。

資料作成時は三角形をはじめとして様々な矢印を用いるかと思います。
矢印デザイン(http://yajidesign.com/)という矢印のみの素材を配布しているウェブサイトがありますので是非活用してみてください。

  • よく起こる錯視③ハーマングリッド錯視

こちらの画像をご覧ください。■と■の間に存在しないはずの色(●)が見えて、チカチカしませんか?これはハーマングリッド効果と呼ばれています。

<解消方法>
下記のような方法で解消することができます。

  • よく起こる錯視④ポッゲンドルフ錯視

棒グラフなどの上に直線を重ねた図です。
1本のつながった直線ですが、左右に見える線が外れているように見えませんか?
これはポッゲンドルフ錯視と呼ばれています。

<解消方法>
直線をグラフの上に配置したり、棒グラフの色を透過させたりすると、錯視が回避できます。

【図形を半透明にする方法】
グラフの上で右クリックをして「図形の書式設定」を開き、透明度を調整しましょう。

  • よく起こる錯視⑤ダイヤモンド錯視

上図は、2つともの同じ大きさの正方形ですが傾きを変えています。
右の45度傾けた正方形の方が大きく見えませんか?

これはダイヤモンド錯視と呼ばれています。

<解消方法>
下記のように傾けたほうの正方形を少し小さくしましょう。

文字だらけの資料よりも図版が盛り込まれている資料の方が、見る人の理解度は格段に上がります。しかし、その図版が錯視を起こしていると見る人を混乱させてしまうかもしれません。
錯視は意図していなくても起こってしまうことがあるので、作った資料は一度客観的な目線で見直すことをおすすめします。時間的な制約があり、すべての箇所の調整が行えない場合は、長時間スライドとして映し出す箇所や、表紙などのポイントとなる部分だけでも良いのでチェックしてみましょう。