2020年11月25日
PowerPointで資料を作成するとき、ヘッダーやフッターなどのテンプレートを使用される方は多いと思います。テンプレートはどういった基準で選んでいますか?単純にカッコいいから、自分の好みに合っているからなどの理由で選んでいませんか? スライドの主役はあくまでもスライドの内容で、テンプレート自体は主役ではありません。今回はヘッダーのページタイトルやテンプレートについて考えてみましょう。
テンプレートの考え方
テンプレートを作成するにあたって、主張が強いデザインのテンプレートはおすすめできません。
よく見かけるのは、下のスライドのようにページタイトルの文字が大きく強調され、ヘッダーやフッターが際立ったデザインです。
ここで考えていただきたいのは、「ページタイトルやテンプレートを目立たせることの意味」です。
多くの場合、タイトルは(提案書を作成している本人が)そのページで最初に書く部分のため重要であると認識しがちですが、実際はそうではありません。
プレゼンでは「今、何についての説明をしているか」ということよりも、「どんな提案内容なのか」を相手に理解してもらうことが重要だからです。
ページタイトルとテンプレートはシンプルに
上で紹介したテンプレートは、どう改善すれば”スライド内容を立たせるテンプレート”になるのでしょうか。
クリアすべき問題点は2点あります。
- スペースの配分
ヘッダーとフッターが大きすぎて、
肝心の提案内容を記載するスペースが狭くなっています。
ヘッダーとフッターの領域は必要最小限に押さえるようにしましょう。
- 配色
領域が大きいことに加えて、ヘッダーとフッターに濃い色を用いたことで、
提案内容が目立たず、閉塞感まで生まれています。
あくまでも、提案内容が一番目立つ配色を心掛けましょう。
それら2点を改善したスライドが、次のスライドになります。
いかがでしょうか。ヘッダーとフッターのスペースを狭くして、控えめな配色のデザインに変更したことで、レイアウトに開放感が生まれ、内容が引き立つようになりました。
ページをめくった時に提案内容のキーワードやポイントに目が行くようなテンプレートになれば、「どんな提案内容なのか」が相手に理解されやすくなるのではないでしょうか。
彩度と明度
テンプレートの変更だけでも、スライドの印象は改善されたと思いますが、さらにプラスαのご提案として「彩度と明度」にも気を付けて資料をブラッシュアップさせてみましょう。
彩度は色の強さや鮮やかさを意味し、明度は色の明るさを意味します。一般的に、明度と彩度が高いと軽い印象になり、低いと重たい印象になります。
次のスライドをご覧ください。
上のスライドのように、スライドの中心から上に明度の低い色が配置された高重心なデザインは、不安定な印象や緊張感を与えてしまいます。
提案資料の場合、相手に落ち着きのある安定した印象を与えることが重要なので、高重心の配色は適していません。
明度と彩度を変え、全体のバランスを整えたスライドが、次のスライドになります。
明度の低い色をスライドの中心から下に配置し、低重心なデザインにしたことで、スライド全体に安定感が生まれました。
デザインの目的に合わせて、低重心と高重心のどちらが適しているか、配色を使い分けるようにしましょう。
提案資料の基本的な目的は、「どんな内容なのか」を相手に理解してもらうことです。 洗練されたカッコいいテンプレートはもちろん魅力的ですが、そちらが主役になり肝心の内容が目立たなくなってしまっては本末転倒です。 良いテンプレートとは、内容を引き立ててくれるテンプレートです。 資料の内容や用途にマッチしたテンプレートを使用することで、その資料の魅力は格段にアップします。