2020年11月04日
プレゼン資料を見たときに、「どこが重要なポイントなのかわからない」と思った経験はありませんか? その原因は資料の見た目にあります。 デザイナーのように特殊なスキルを持っていなくても、実は、あるポイントを抑えておくだけで、見た目はかなり改善されます。 今回は、プレゼン資料のデザインにおいて、最初に取り組むべき大切な工程についてご紹介していきたいと思います。
伝わりづらい資料とは
「この企画は絶対に成功させたい!」
真剣勝負でプレゼンに臨む際には、スピーチ内容はもちろんですが、見ている人の心を掴む視覚的効果の高い資料・スライドを使うこともとても重要です。
重要なポイントがわかりづらい資料を使っていては、そのプレゼンは絶対に成功しません。
では、”重要なポイントがわかりづらい資料”とは、いったい何が問題なのでしょうか。
まずはこちらの悪い例をご覧ください。
フォントのサイズにメリハリがなく、また「このページに書かれたことのすべてが重要」と言わんばかりに、黄色の爆弾マークやオレンジ色など、ページが強調処理で埋め尽くされています。これでは何が本当に重要な情報なのかわからず、読み解きづらい資料になってしまっています。
強調される要素が多すぎると、本当に重要なポイントが埋没されて、見ている人を混乱させることにもなります。
要素のランク分け
では、どうすればいいのでしょうか。
実は、特殊なスキルがなくともこれだけ抑えていれば圧倒的に可読性が上がるポイントがあります。それは、「要素をランク分けする」こと。
資料に盛り込みたいすべての要素を一度棚卸し、それぞれを4~5段階程度の優先順位で振り分けるのです。
この一工程を挟むだけで、「自分の頭の中」を整理でき、「相手が理解しやすいレイアウト」が作成できます。さらに、プレゼンの時間が十分に得られないとき、限られた時間のなかで「これだけは伝えておきたい」ということを、事前に把握しておけるメリットもあります。
要素のランク分けは、レイアウトにも直結します。
- ランクが高い要素は目立つようにする
- 低い要素は抑え目にする
- 同じランクの要素は同じ見た目にする
これだけのことでも、視覚的なメリハリを生み、「何が重要なポイントなのか」を、相手に理解してもらいやすくなります。
実際にやってみよう
- ランク分け
それでは、先ほどの悪い例を使用し、実際に要素をランク分けして情報を整理してみましょう。
- ルールの設定
今回は、重要な情報から順に1〜5番までの数字を振り分け、それぞれのランクごとに、次の図に記載したようなフォントのサイズや色などのルールを設定しました。
振り分けた番号のルールに従い、修正を行った資料のデザインがこちらです。
行ったのは必要最低限の手直しのみですが、何度も読み返さずとも重要な情報が頭に入ってくる資料ができあがりました。
相手に伝えたい事柄に優先順位をつけ、その順位に沿って強調処理をするだけで、情報が整理されて誰が見ても理解しやすい資料になります。 「どこが重要なポイントなのか」「何を言いたいのか」が見ただけで伝わる資料があれば、そのプレゼンの成功率はグンと上がるはずです。 視覚的効果の高い資料を効率良くデザインするために、まず初めに今回行った「要素をランク分けする」ことをぜひ実践してみてはいかがでしょうか。