ポップなデザインを取り入れて
楽しさや新しさを演出しよう!

ポップなデザインを取り入れて<br>楽しさや新しさを演出しよう!

プレゼンテーションの目的は説明と説得、行動の決断を促すことです。
情報を整理し綺麗にまとめた次に、デザインテイストに工夫を加えることでより効果的なプレゼン資料を制作することができます。
今回はポップなデザインについて解説します。

ポップとは?使用シーンやターゲットは?

そもそもポップとはどういう意味か調べてみました。

ポップ【pop】
[名・形動]

  1. 大衆向きであるさま。また、時代に合ってしゃれているさま。「—なファッション」
  2. ポップアートの。ポップアート風の。「—な感覚の色彩」「—な映像」
  3. ポップス。また、ポップス調であるさま。「—な旋律」

出典:https://www.weblio.jp/content/%E3%83%9D%E3%83%83%E3%83%97
ここでは視覚の面で説明がなされている1と2の意味で捉えます。
ポップアートとは1960~70年代にイギリスとアメリカで主流になった芸術運動です。芸術の堅いイメージを崩し大衆的な表現に持ち込んだもので、コントラストの効いた彩度の高い配色や単純化した表現が特徴です。
このような特性をデザインに応用すると以下のようなシーンに活かせそうです。

・楽しそうな雰囲気を作りたいとき
ラフな社風の企業の会社説明会、エンターテイメント系のイベントの案内などにもポップなデザインは向いています。堅苦しい緊張感を崩すことができます。

・新しさを演出したいとき
これまでになかった新しい特徴を持った製品や機能の紹介にポップなテイストを用いれば先進的な印象を与えることができます。

ポップなデザインを表現する手法

ポップなデザインのコツは、整理整頓するデザインの基本を押さえながら部分的にセオリーをはみ出していくこと。ポイントを解説します。

  • フォントをポップに!

ポップなテイストのデザインに向いているのは明朝体よりもゴシック体。
明朝体は信頼感や高級感、繊細さを表現できますが、これらはポップなテイストとはあまり相性がよくありません。Windowsの標準搭載フォントから選ぶと、游ゴシックやメイリオがポップなテイストには向いています。全体的に太めのウェイトを選ぶとよりポップな印象が増します。

個性的なデザインフォントはデザインにインパクトを持たせることができますが、読ませるためよりも目を引くために設計されたものが多く、可読性に優れたものではないため長文には向きません。タイトルや見出しのみに使用するなど、ポイントを絞りましょう。
また標準搭載されていないフォントは環境によっては表示されない可能性があります。パワーポイントの埋め込み機能を用いるか、画像として配置しましょう。

なお、注意すべきは名前にも「ポップ」と入っている創英角ポップ体。
あらゆる掲示物に用いられてきた経緯があり、結果的にポップというよりも安っぽいイメージを持たれてしまいがちです。非常に扱いが難しく、野暮な印象を与えかねないので気を付けましょう。

  • 色をポップに!

アクセントカラーやメインカラーに彩度の高い色を用い、色相環の離れた色を組み合わせるとポップな印象を作りやすくなります。また使用する色数を増やすことも有効です。
ただしベースカラー、メインカラー、アクセントカラーなどの基本を押さえた上でバランスを見て、情報の優先順位が分かるようにしなければなりません。ベースカラーはアクセントカラーよりも目立たないように選びます。
ポイントは彩度の高い派手な色は主にアクセントカラーに用い、規則性を損なわないようにすることです。あくまで意図を持って配色し、ごちゃごちゃとしたデザインにならないよう注意しましょう。

※色相環については、下記参考記事をご参照ください。

  • 装飾をポップに!

丸みのある形状はカジュアルな印象を想起させます。
例えばデザイン中の矩形や写真などを角丸にするとポップな雰囲気が出ます。
また、図形の塗りにファッショナブルな印象のあるストライプやドットのパターンを使用することもカジュアルな印象を持たせることができるためおすすめです。

図形やパターンなどの装飾は反覆し使用することで規則性を保つことができます。

  • レイアウトをポップに!

コントラストを高めることはポップな印象に繋がりやすいため、文字のジャンプ率を高めたり、写真と文字を大きく配置したりすることも有効です。
他にも、例えば写真と文字を交互に配置したり、ランダムなフリーレイアウトに挑戦したりしても楽しそうな雰囲気を作ることができます。
イラストを利用することも効果的です。
要素の整列と近接を意識し、乱雑なレイアウトにならないよう注意しながら検証してみましょう。

プレゼンテーションと一言に言ってもそのシチュエーションやターゲットは様々です。
必ずしもかしこまった表現がベストとは限らず、緊張感を解いたカジュアルな雰囲気が適した場面もあり、そのような場面にはポップなデザインはうってつけです。
ただしポップなテイストは基本のデザインセオリーから外れる部分も多いため難易度が高く、バランス感覚が求められます。基本を押さえながら見づらいデザインにならないよう徐々に取り入れていきましょう。